アニマルセラピストとは?仕事内容や必要な資格について解説!
アニマルセラピストの仕事内容
アニマルセラピストという職業を知っていますか?
動物と一緒にお仕事をする魅力的な仕事について徹底解説していきます。
アニマルセラピーとは
アニマルセラピーとは、文字通り『アニマル(動物)に触れることを通じて、癒し効果を得て心を落ち着けたり生きる希望を持つ』といった目的のセラピーのことです。
具体的には、犬や猫、馬、ウサギなどの温厚な動物が対象となっています。
長期入院中の患者さんや、介護施設で暮らす高齢者などが、これらの動物と触れあうことを推奨されています。
様々な効果が期待されている?
単純にかわいい動物と触れ合う楽しい時間が取れるだけではなく、触れることで手先の感覚を鍛えたり、一緒に歩くことで歩行意欲を取り戻したりといった、リハビリ効果も期待できます。
また、うつ病患者に笑顔が増えたり、会話欲が刺激されるなどの効果も報告されています。
アニマルセラピストとは
アニマルセラピストとは、そんなアニマルセラピーを行うために、人と動物の間に入って橋渡しをする役割を持っています。
具体的には、アニマルセラピーを必要とする施設に動物を連れていき、ふれあいの場をより良いものにするレクリエーション力が求められます。
特に、長期入院患者や大変なリハビリに取り組んでいる方は、精神的に参っていることも多く、会話を通じて笑顔を引き出すような努力も必要です。
訪問時以外には、動物の世話を通じてよりアニマルセラピーに適した動物になるように、しつけをすることも重要な役割となっています。
アニマルセラピストに必要な資格は?
現時点で、アニマルセラピストになるために必要な資格はありません。
公的な資格はないとはいえ、最低限の知識やマナーなどを学んでいないと、プロとして仕事をすることは難しいでしょう。
また、各専門学校や団体が一定基準を設けて認定している「アニマルセラピスト」の民間資格などがあるため、ひとつの選択肢として考えると良いでしょう。
アニマルセラピストになるには?
アニマルセラピーに関して、知識や経験を身に付けるには、やはり学校に通うというのが一番体系だった近道と言えるでしょう。
学校に通う
動物に関わる大学や専門学校に通うことで、アニマルセラピーだけでなく、ドッグトレーナーなどの動物に関する知識や技術を学ぶことが可能です。
実際に動物を用いた実習なども多く、提携先の施設(病院や学校など)での現場実習に行く機会があるなど、独学では得られない経験を積むことができます。
学校に通う場合は、カリキュラムにもよりますが、2~3年ほどの時間がかかります。
また、学校によってばらつきはありますが、年間100~150万円ほどの学費がかかるようです。
時間・費用ともに自己投資が必要ですが、その先にアニマルセラピストはもちろん、アニマル系キャリアを築く門戸がグッと広がります。
通信教育で学ぶ
数年単位の通学が難しいという場合には、通信講座を受けるという方法もあります。
ただし大きなネックは、『実習がない』という点です。
いくらテキストで勉強をしていても、いざ動物を目の前にすると話は別です。
一方で、すでに動物関連の資格や知識を持っている方が、プラスアルファとしてアニマルセラピストについて学ぶという場合は、ちょうど良いかもしれません。
通信教育の場合は、講座内容にもよりますが、半年~1年程度で終了するプログラムとなっています。
費用としては、約30万円ほどで受けられるものが多いようです。
向いてる人の特徴
アニマルセラピストには、どのような人が向いているのでしょうか。
アニマルセラピストの8割が女性と言われていますが、求められる人物像からは特に性別差は関係なさそうです。
動物が好きな人
アニマルセラピストは、動物と一緒に働く仕事です。
だからこそ、言わずもがなですが、動物が大好きな人が向いています。
病院や施設などの現場にいるときはもちろん、それ以外の時間も動物と一緒に過ごす時間が多くなります。
「動物と一緒にいることが楽しい」「一緒に働くことで自分も癒されている」といったタイプの方が好ましいです。
人が好きな人
アニマルセラピストは、動物と人の橋渡しをする役割を持っています。
だからこそ、動物だけに意識が向いていてはいけません。
特に、アニマルセラピーを行う現場は、高齢者が多い施設から子どもたちのいる幼稚園や福祉施設など、幅広い年齢の方と接することになります。
だからこそ、誰とでも話せるようなコミュニケーション能力が必要となります。
学ぶことが好きな人
アニマルセラピストになるには、動物のプロになるための勉強が必要です。
また、一度学んだらそれでOKということではなく、パートナーとなる動物についてそれぞれ個体差のあるなかで、より良い個性を引き出すためのしつけや教育を続けることも大切です。
様々な知識を常に吸収して、アニマルセラピストとして成長し続ける意欲が求められます。
給料はどれくらい?
アニマルセラピストの給料は実際のところどれくらいなのでしょうか?
正社員として雇われる場合
正社員として雇用される場合は、医療機関や老人介護施設などに雇われることが一般的です。
この場合、アニマルセラピストの専任というよりも、他の業務をしながらセラピストとしても働くという形になることが多いようです。
雇われの場合、平均年収は200~250万円程度と言われています。
正直決して高い数字ではありませんが、経験を積むことでアニマルセラピストとして独立するためのキャリアアップにも繋がります。
アニマルセラピストとして開業する場合
ある程度経験を積んで、アニマルセラピストとしての自信をつけたら、開業にも挑戦できます。
フリーランスとして施設や団体に営業をかけて仕事をとる必要はありますが、手取り額は契約次第となります。
よって、うまく顧客を掴むことができれば、雇われているときよりも年収を上げることも可能です。
また、アニマルセラピストとしての活動を主にできるので、充実感も得られるでしょう。
他のアニマル系職業との比較
同じく動物を相手にする仕事のなかでも、目にすることが多いのはペットショップの店員ではないでしょうか。
アルバイト・パートではなく、「20代・女性・正社員」として雇用された場合、平均年収は約320万円ほどと言われています。
▼猫と関わる仕事についての記事はこちら
アニマルセラピストの就職先
はれてアニマルセラピストになれた場合、どのようなところで働き、キャリアアップしていくのでしょうか。
イメージを膨らませてみましょう。
一般的な就職先とは
一般的には、アニマルセラピーを実施している施設に雇われることが多いです。
- 医療機関
- 介護施設
- 高齢者施設
- 福祉施設
- ペットカフェ など
ただし、先に述べたようにアニマルセラピスト専任というよりは、施設内のスタッフとして他の業務も兼任するケースが多いのが現状です。
逆に、アニマルセラピスト一本で仕事がしたいという場合には、非正規雇用やボランティアとなることが多く、給与面で大幅に差が出てきてしまいます。
アニマルセラピストの給料が低いワケ
アニマルセラピストという言葉が、まだ日本ではあまり知られていないというくらい、アニマルセラピーの重要性が理解されていません。
だからこそ、せっかく専門学校に通うなどして勉強をしても、その点が給料に反映されにくいというのが現状です。
将来性と今後の見込み
日本ではまだ限定的なアニマルセラピーの活動ですが、欧米諸国に目を向けると、専任アニマルセラピストが大活躍しています。
実際、にうつ病患者やリハビリ中の高齢者への効果も報告されていて、ますますアニマルセラピーへの注目は高まっています。
今後需要は高まる?
日本でも、高齢化が進むにつれて、アニマルセラピーの需要は必然的に高まっていくと予想されています。
アニマルセラピーへの理解が深まることと、必要とする施設が増えることで、これからアニマルセラピストの活躍の場は増えていくのではないかと期待されています。
それに伴って、兼任する大変な業務スタイルではなく、フリーや専任アニマルセラピストの地位が高まっていくのではと考えられます。